高度なコーチングレポート
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マネージャは、コーチングレポートを活用して、業績、改善点、評価できる点、アカウントとの交流方法などについて、ユーザ (営業担当者) とコミュニケーションを取ることができます。これらのレポートは頻繁に更新され、また市場や国によっても異なります。コーチングレポートの物理的なフィールドを追加したり修正したりする必要をなくすため、高度なコーチングレポートはデータで制御され、インターナル調査のように動作します。
コーチングレポートには 3 つのユーザがあります:
- 設計者 – これは、実際にコーチングレポートと質問を作成するビジネスアナリストまたは事業運営担当者です
- コーチ (共有チーム) – これは、コーチングレポートに情報を入力するマネージャです
- 従業員 – これは、コーチングレポートを受け取る営業担当者です
コーチングレポートのライフサイクル
コーチングレポートは、オンラインで調査タブを使用して作成されます。コーチングレポートには以下を定義する基本情報が含まれています:
- コーチングレポートの名前
- コーチングレポートの開始日と終了日
- コーチングレポートにアクセスするユーザ (マネージャ) のセットを定義する高度共有条件
- Survey_vod の設定により指定されるカスタムフィールド
新規レコードを作成したら、設計者は、質問を追加するセクションを含む調査管理ページに誘導されます。質問は調査に直接作成され、質問バンクにプッシュされるため、将来他のコーチングレポートに再利用することができます。有効な質問タイプには、選択リスト、ラジオ、複数選択可の選択リスト、数字、日付、日時、テキスト、およびロングテキストなどがあります。調査の情報や指示を伝えるために使用される説明という質問タイプもあります。説明タイプに回答は不要です。他の機能は、インターナル調査の質問管理同様に機能します。
変更を終了日以降に行う場合、コーチが従業員へのレポート送信を試行するとエラーメッセージが表示され、変更は保存されません。
高度共有
高度なコーチングレポートには、高度な共有 (オープン調査コンセプト) と呼ばれる付加機能が備わっています。これは、質問一式 (調査) を正しいユーザ (共有チーム) に発行する方法を規定します。高度な共有をサポートするため、Survey_vod オブジェクトはプライベートの組織全体の共有モデルを採用している必要があります。これは Survey_vod__Share オブジェクトを作成します。
高度な共有は、コーチングレポートを関連付ける共有チーム (コーチ一式) を決定します。共有チームは、以下の他、既存の割り当てフィールドに保存されたデータに基づいて決定されます:
- Territories_vod – テリトリーまたは子テリトリーに直接割り当てられたすべてのユーザ
- Product_vod – マイセットアップ経由で Product_vod フィールドの製品値に割り当てられたすべてのユーザ
- Detail_Group_vod – マイセットアップ経由で Product_vod/Detail_Group_vod の製品およびディテールグループの値に割り当てられたすべてのユーザ
- Profile_Name_vod – Profile_vod フィールドのプロファイル値に割り当てられたすべてのユーザ
- Sharing_Team_vod – Share_Team_vod フィールドの値に一致するユーザ共有チーム (ユーザオブジェクトのフィールド) を持つすべてのユーザ
上記の基準の 1 つ以上を使用して、表示権限を持つユーザ一式を定義することができます。1 つ以上の条件が指定されている場合、条件は AND 演算子で結合されます。
新規ボタン (Survey_vod__Share オブジェクトの Calculate_Sharing_vod) は、ポップアップに共有チームを表示する MC エンジンの共有カリキュレーションプロセスを開始します。
高度な共有では MC エンジンを使用する必要があります。MC エンジンの設定方法については調査の発行を参照してください。MC エンジンを設定すると、APEX バッチ処理 (VEEVA_BATCH_SURVEY_PUBLISH) を使用する従来の発行処理が無効化され、その代わりに MC エンジンの発行処理が有効化されます。
高度な共有は、調査レコードの発行に関する APEX 方法をサポートしていません。
設計者プロファイルには、共有チームが表示されるように、適切なページレイアウトのセクションの Survey_vod オブジェクトに zvod_Advanced_Share_Team_vod マーカーフィールドがなければいけません。また、設計者プロファイルには、Survey_vod__Share を変更するために Survey_vod オブジェクトに対する「すべてを変更する」権限もなければいけません。
従業員ルックアップリストは、ロール階層でコーチの地位より下に分類されるユーザのみを含めるよう設定することができます。詳細は設定可能なルックアップの機能強化を参照してください。
コーチングレポートの発行
設計者が発行を選択し、レコードタイプが Coaching_Report_vod である場合、調査ステータスは発行済みとなります。このステータスの調査は、オフラインで表示され、新規コーチングレポートの作成時に選択することができます。以下の条件を満たすタイプが Coaching_Report_vod の調査のみが表示されます:
- ユーザがコーチングレポート調査に表示権限 (共有チームの一部) を持っている
- 現在の日付がコーチングレポートの開始日と終了日の間にある
- ユーザが Survey_vod と Survey_Target_vod の両方の Coaching_Report_vod レコードタイプにアクセス権限を持っている
- ユーザが Survey_Target_vod と Question_Responses_vod オブジェクトに完全な CRUD アクセス権限を持っている
コーチングレポートの実施
コーチングレポートが発行に設定され、オフラインデバイスと同期されたら、共有チーム (コーチ) が実行できるようになります。コーチングレポートのエンドツーエンドの実行には、コーチと従業員が関与します。
コーチ
- コーチングレポートのテンプレートに表示権限を持つ (Survey_vod レコード)
- 従業員に対するコーチングレポートの作成権限がある (Survey_Target_vod/Question_Response_vod レコード)
- コーチングレポートのヘッダーの多数のフィールドに記入する
- レビュー日 (オプション) – コーチングレポートが現場で完了した日付
- 従業員 (コーチングプロセスを完了させる必要がある) – コーチングレポートがターゲットとするユーザ
- レイアウト上にあるさまざまなカスタムフィールド
- コーチングレポートの質問を記入する
- レポートを保存する、または完成したら従業員に送信する
コーチがコーチングレポートを完成させたら、コーチングレポートを従業員に送信してレビューしてもらいます。この時点では、コーチングレポートはロックされ、レポートの OwnerId が従業員の ID となります。
従業員
- コーチングレポートの質問とヘッダーフィールドに参照専用のアクセス権限を持つ
- [完了] ボタンを選択することで、レポートを受領し理解したことを確認できる
ロール階層でコーチの地位より下である
従業員がコーチングレポートの受領を確認したら、レポートのライフサイクルは完了となります。
従業員にコーチングレポートを送信する
[従業員に送信] ボタンがコーチングレポートのレコードタイプの Survey_Target_vod ページレイアウトに配置されている場合は、コーチングレポートを従業員に送信することができます。エンドユーザは、Sent_To_Employee_Datetime_vod フィールドに対するアクセス権限も持っている必要があります。
コーチングレポートが従業員に送信されると、コーチングレポートの OwnerId は従業員 ID に設定され、コーチングレポートがロックされ、Sent_To_Datetime_vod がデバイスの現在の日時でスタンプされます。
従業員は、高度なコーチングレポートが正常に送信されるように、ロール階層でコーチの位置よりも下である必要があります。
Salesforce.com の標準共有ルールが適用されます。例えば、コーチが、前回保存したコーチングレポートをロール階層外の従業員に送信する場合に、共有ルールがコーチにそのデータに対する表示権限を付与しない場合、コーチはレコードを表示することができません。さらに、コーチが、コーチングレポートと質問回答を作成し、コーチングレポートをロール階層外の従業員に割り当てる場合に、コーチがそのコーチングレポートに共有ルール経由でのアクセス権限を持たない場合には、コーチはコーチングレポートのヘッダーの表示権限を失い、質問回答は作成されません。
新規コーチングレポートについて従業員にアラートする
コーチングレポートタブ横のアイコンを使用して、コーチングレポートがあることを従業員にアラートすることができます。このアイコンには、注意を必要とする従業員をターゲットとしたレポートの件数を含みます。レポートを確認した後に、従業員はレポートを完了とマークすることができます。
コーチングレポートを完了する
[完了] ボタンがコーチングレポートのレコードタイプの Survey_Target_vod ページレイアウトに配置されている場合は、コーチングレポートを完了させることができます。エンドユーザは Completed_Datetime_vod フィールドにアクセス権限も持っている必要があります。
コーチングレポートが完了すると、コーチングレポートのステータスが「完了」に変わり、Completed_Datetime_vod がデバイスの現在の日時でスタンプされます。
コーチングレポートのリコール
リコールボタンがコーチングレポートのレコードタイプの Survey_Target_vod ページレイアウトに配置されている場合は、コーチングレポートをリコールすることができます。エンドユーザは、Recalled_Datetime_vod フィールドに対するアクセス権限も持っている必要があります。
コーチングレポートがリコールされると、以下が起こります:
- レコードの所有者 ID がコーチの ID に変わります
- Survey_Target_vod オブジェクトの Recalled_Datetime_vod フィールドが、デバイスの現在の日時でスタンプされます
Report_Status_vod フィールドの値が Under_employee_Review_vod で Recalled_Datetime_vod フィールドに値がないコーチングレポートのみをリコールできます。
Report_Status_vod 選択リストフィールドに Recalled_vod の値は使用しないでください。
コーチングレポートを将来の時間にコピーする
[コピー] ボタンが、コーチングレポートのレコードタイプの Survey_Target_vod レイアウトに配置され、基本となるコーチングレポートのテンプレート (Survey_vod) の Status_vod が「発行済み」で、今日が End_Date_vod 以前である場合は、コーチングレポートをコピーすることができます。
コーチングがコピーされると、元のコーチングレポートのすべてのデータが次のフィールドのデータを除きコピーされます: Sent_To_Employee_Datetime_vod、Recalled_Datetime_vod、Completed_Datetime_vod、Review_Date_vod。これらのフィールドはすべてクリアされます。さらに、OwnerId は現在のユーザ (コーチ) の ID となります。
アドバンスドコーチングレポートの設定
オブジェクト権限
以下の表に基づいて適切なユーザにオブジェクト権限を付与します。これらは、この機能に必須の最小限の権限です。
設計者
オブジェクト | 最小権限 |
---|---|
Survey_vod | CRUD |
Survey_Question_vod | CRU |
Question_vod | R |
Survey_Target_vod | -- |
Question_Response_vod | -- |
Product_vod | R |
コーチ
オブジェクト | 最小権限 |
---|---|
Survey_vod | R |
Survey_Question_vod | R |
Question_vod | R |
Survey_Target_vod | CRUD |
Question_Response_vod | CRUD |
Product_vod | R |
従業員
オブジェクト | 最小権限 |
---|---|
Survey_vod | R |
Survey_Question_vod | -- |
Question_vod | -- |
Survey_Target_vod | RU |
Question_Response_vod | R |
Product_vod | R |
VMOC 設定変更
- 以下の WHERE 句を使用して調査の Survey_Target_vod__c VMOC を変更します:
WHERE ((Account_vod__r.Name != null OR User_vod__c = @@VOD_SF_USER_ID@@ OR Coach_vod__c =@@VOD_SF_USER_ID@@ OR OwnerId =@@VOD_SF_USER_ID@@)AND Status_vod__c != 'Development_vod' AND Start_Date_vod__c <= TODAY) - 既存の Survey_vod VMOC に拡張同期を有効化します。これにより、コーチングレポート調査の表示設定が変更されるか、あるいはレコードが発行済みと作成中の状態間を移動する場合、レコードは、適切に追加またはデバイスから削除されます。
- リコール機能を使用している場合は、Survey_Target_vod に拡張同期を有効化します。これにより、所有権が Survey_Target_vod に変更されると、デバイスから確実にレコードが削除されます。
オフラインデバイスにコーチングタブを設定します:
- ENHANCED_COACHING_MODE_vod Veeva 設定を値「1」で有効化します。
- 以下のフィールドに対する FLS 参照権限をコーチと従業員ユーザに付与します。
- Survey_vod.Start_Date_vod
- Survey_vod.End_Date_vod
- Survey_Target_vod.Employee_vod
- Survey_Target_vod.Coach_vod
- Survey_Target_vod.Report_Status_vod
- ENHNCD_COACHING_COLS Veeva メッセージを編集して、タブにコーチングレポートの列を表示させるように記入します。
- 設計者に Survey_vod レコードタイプの Coaching_Report_vod へのアクセス権限を付与します。
- コーチに以下のレコードタイプへのアクセス権限を付与します:
- Survey_Target_vod の Coaching_Report_vod
- Question_Response_vod の CRM_Coaching_vod
- コーチに、以下に挙げる Survey_Target_vod オブジェクトのシステム管理フィールドに対して、ページレイアウトレベルの参照専用アクセス権限を付与します (またはこれらをレイアウトから完全に削除する):
- Territories_vod
- Product_vod
- Detail_Group_vod
- Profile_Name_vod
- Share_Team_vod
- Coach_vod
- Report_Status_vod
- Status_vod
オンラインユーザの場合、高度なコーチングレポートタブにて、自分がコーチであるコーチングレポート、およびレコード所有者であるコーチングレポートが表示されます。
オンラインコーチングタブを設定するには:
- 適切なプロファイルに Advanced_Coaching_Reports_vod Visualforce タブを割り当てます。
- コーチに以下の Visualforce ページへのアクセス権限を付与します。
- Advanced_Coaching_Reports_vod
- New_Coaching_Report_vod
- Add_Survey_Target_vod
- Survey_Edit_vod
- Survey_Management_vod
- Survey_Target_Edit_vod
- Survey_Target_Execution_vod
ユーザに以下の Visualforce ページへのアクセス権限を付与します。
- Advanced_Coaching_Reports_vod
- New_Coaching_Report_vod
- Survey_Edit_vod
- Survey_Target_Execution_vod
従業員による高度なコーチングレポートへのコメント
従業員は、高度なコーチングレポートの表示中にコメントを追加できるようになったため、コーチングレポートのプロセスに参加することができます。従業員が高度なコーチングレポートを受け取ると、従業員は、完了プロセスの一部としてコメントという形で意見を述べることができます。従業員がレポートを完了すると、コーチは従業員のコメントを表示することができます。
例えば、Sarah Jones のマネージャが Sarah の高度なコーチングレポートを完了し、Sarah にレポートを送信したとします。Sarah は、レポートを完了する前にレポートに意見を述べます。その後 Sarah のマネージャは Sarah のコメントを表示することができます。
従業員による高度なコーチングレポートへのコメントの設定
この機能を有効にするには:
- 高度なコーチングレポートが有効であることを確認します。
- Survey_vod オブジェクトの Enable_Employee_Comment_vod フィールドについて、設計者ユーザには FLS 編集権限を、コーチユーザと従業員ユーザには FLS 参照権限を付与します。
- Survey_Target_vod オブジェクトの Enable_Employee_Comment_vod フィールドについて、設計者ユーザとコーチユーザには FLS 編集権限を、従業員ユーザには FLS 参照権限を付与します。
単一のユーザがコーチと従業員の両方になり得ます。この場合、両方のユーザプロファイルに FLS 編集権限を設定します。
- Survey_Target_vod オブジェクトの Employee_Comment_vod フィールドについて、設計者ユーザとコーチユーザには FLS 参照権限を、従業員ユーザには FLS 編集権限を付与します。
- Survey_vod および Survey_Target_vod オブジェクトの Enable_Employee_Comment_vod フィールドにある Coaching_Report_vod レコードタイプのすべての選択リスト値が有効化されていることを確認します。
- コーチユーザと従業員ユーザの適切な Survey_Target_vod オブジェクトページレイアウトに Employee_Comment_vod フィールドを追加します。
ページレイアウトとページレイアウトフィールドのプロパティは、Survey_Target_vod オブジェクトの Employee_Comment_vod フィールドに対して尊重されません。
- オンラインでのコメント作成を有効にするには、従業員ユーザの適切な Survey_Target_vod ページレイアウトに Add_Comment_vod ボタンを追加します。
- 適切な Survey_Target_vod ページレイアウトに Enable_Employee_Comment_vod フィールドを追加し、ページレイアウトのフィールドプロパティを参照専用に設定します。この手順は任意です。
従業員による高度なコーチングレポートへのコメントの使用
高度なコーチングレポートを構築する際に、設計者は従業員レビュープロセス中の従業員によるコメント作成を有効化することができます。従業員によるコメントは、オプションまたは必須に設定することができます。
調査管理ページから高度なコーチングレポートを設計する際に、Survey_vod オブジェクトの Enable_Employee_Comment_vod フィールドからオプションを選択して希望する操作を有効化します。オプションには以下が含まれます:
- 無効: このオプションは、高度なコーチングレポートからの従業員によるコメント作成を無効化します。これは初期値です。
- コメントオプション: このオプションでは、従業員によるコメント作成は有効ですが、従業員はコメントを作成しなくても完了させることができます。
- コメント必須: このオプションでは、従業員によるコメント作成が有効で、従業員がレポートを完了させるにはコメントが必須となります。