異なるプラットフォームでコンテンツの互換性を確保する
当社では、エージェンシーに豊富な知識があるため、CLM は HTML、CSS、および JavaScript といったオープンウェブスタンダードを採用しています。残念ながら、現在のウェブブラウザ (IE、Chrome、Safari など) は、これらのオープンスタンダードの解釈に、一貫性がなかったり、正確ではなかったりすることがあります。その結果、ウェブコンテンツパブリッシャーは、コンテンツのテストやブラウザ間の非互換性に対応する次善策を練るために多大な時間を費やしています。
CLM は Veeva CRM for iPad にのみ導入されたため、iOS プラットフォームでサポートされるのは Mobile Safari のみでした。エージェンシーは、ブラウザでのテストに制限のある Safari で有効な特定の機能を使用していました。つまり、Veeva CRM for iPad 向けに作成されるコンテンツは、変更およびテストを経なければ、CRM デスクトッププラットフォームの CLM で実行されない可能性があります。
コンテンツの作成
変更、テスト、および次善策に費やされる負担を軽減するためには、CLM 用に HTML コンテンツを作成する際には、以下のガイドラインを使用してください:
- ウェブデザインのベストプラクティスを使用して、iPad と Windows の両方で動作するコンテンツを作成します
- 異なる画面解像度に展開できるコンテンツを構築および設計します:
- 画面解像度が異なるのは、
- 2 種類の異なるウェブブラウザ (Internet Explorer 11 および Mobile Safari)
- レスポンシブデザインのベストプラクティスを熟知しておいてください。レスポンシブデザインを使用すると、コンテンツを表示する画面のサイズに合わせてコンテンツがスケールされます。
- 複数のプラットフォームでのコンテンツの展開を予定している場合、固定幅のデザインを使用しないでください。
コンテンツのダウンロード
iPad には 16 GB 以上のサイズのファイルを格納できますが、このサイズのコンテンツを 3G/4G 経由で (あるいは Wi-Fi でも) ダウンロードすると何時間もかかります。最適なエンドユーザエクスペリエンスを考慮すると、同期時間の合計は 1 時間を超えるべきではありません。社内において iPad 1 と 3G 接続を使用 (最も遅いデバイスと接続の組み合わせ) してテストを実施したところ、1,360 MB のデータのコンテンツ同期でダウンロードに 20~40 分かかりました。
より大きいメディアライブラリでも技術的な制限はありませんが、同期時間が長引き、メディアのパフォーマンスが低下すれば、より大きく複雑なファイルを使用する利点が帳消しされます。
データ | サイズ/単位 |
---|---|
HTML5 | 2 MB |
動画 | 10 MB |
画像 | 0.25 MB |
透明な PNG ファイルを使用せずに HTML5 ページを作成した場合、PNG の代わりに JPG を使用することで、サイズを 2 MB から 0.5 MB へと 25% まで小さくすることができます。また、これによってページの読み込み時間が短縮され、スムーズかつ興味を引き付ける変化が可能になります。
より大きなサイズのファイルを HTML5 へ読み込むこともできますが、これらのファイルがデバイスのメモリー容量をすべて使用してしまうと、コンテンツを表示する際や、CLM を終了するときに、Veeva CRM が終了する場合があります。テスト時には、表示と HTML5 コンテンツとのインタラクションを繰り返し、メモリー障害が発生しないことを確認することが重要です。考えられるメモリー障害の特定に役立つメモリー警告がデバイスのログに表示される場合がありますが、この警告は常に表示されるわけではなく、またすぐにでもクラッシュが発生しそうな状況を知らせてくれるわけでもありません。HTML5 内の XML のパース、複雑な JavaScript の参照、デフォルト以外のフォント、CSS 3D 変換などは、いずれも技術的に可能ですが、多量あるいはすべてのメモリーを消費することが知られています。
新しい iPad デバイスと iPad 2 デバイスのメモリは若干多くなっており、複雑なコンテンツも表示できる場合があります。最も古いモデルと最も下位の OS バージョンの組み合わせを現場で展開して入念なテストを実施し、現実の状況を模倣 (Veeva CRM 以外のアプリを実行するなど) することで、バージョン間の互換性を確認することが重要です。
より大きな解像度で画像を提供すると、ユーザがメディアを部分的に拡大表示し、インタラクティブ性を高めてメディアを活用しやすくなります。複雑な画像は、画質に影響を及ぼさずに約 250 KB 圧縮できます。画像のサイズが 100 KB を大幅に超える場合、クオリティ設定を変更するか、別のツールを使用して jpg ファイルを作成すると、サイズを縮小することができます。
一般的にユーザが PDF ドキュメントの全ページを表示することはないため、PDF はレポートや記事など長い書式のメディアに使用することが最も有効です。より短いメディアとプレゼンテーション用には、画像や HTML5 がより優れたナビゲーション体験と正確なレポートを提供します。
PowerPoint プレゼンテーションを画像に変換する
Microsoft PowerPoint 2007 以降では、プレゼンテーション全体を簡単に画像としてエクスポートできます。PowerPoint 内でプレゼンテーションを表示する場合、コンテンツ作成者は以下の手順を実行してプレゼンテーションを画像としてエクスポートすることができます:
- Office ボタンを選択します。
- 別名で保存を選択します。
- その他の形式を選択します。
- 別名保存の形式のドロップダウンから jpeg (または png) を選択します。
PowerPoint は、現在のスライドをエクスポートするか、またはプレゼンテーション内のすべてのスライドをエクスポートするかを尋ねるポップアップを表示します。選択すると、画像が作成されて使用可能な状態になります。
ダウンロード時間
以下の表の推定ダウンロード時間は、ファイルサイズ/平均ダウンロード速度の基本公式を使用して算出されています。
平均ダウンロード速度 | ファイルサイズ | ||
---|---|---|---|
| 200 MB | 500 MB | 1 GB |
ダウンロード時間 | |||
512 Kbps | 53 分 | 2.2 時間 | 4.6 時間 |
1 Mbps | 27 分 | 67 分 | 2.3 時間 |
5 Mbps | 5 分 | 13 分 | 27 分 |
10 Mbps | 3 分 | 7 分 | 14 分 |
20 Mbps | 1 分 | 3 分 | 7 分 |
この表の時間は、すべての条件を満たした場合のダウンロード時間です。しかし、多くの要因が実際のダウンロード時間に影響を及ぼすため、ダウンロード速度は著しく変動する場合があります。各メディア要求のネットワーク速度、データ同期、zip ファイル数、接続回数により、ダウンロード時間が変わります。例えば、1GB の zip ファイル 1 件を 5Mbps の接続速度でインストールするのに 35 分かかりますが、1MB の zip ファイル 1,000 件を同じ接続速度でインストールするには 60 分かかります。
実際にユーザが利用できるダウンロード速度を判断するよう特に注意が必要です。Veeva は、コンテンツ同期を高速 Wi-Fi 接続を使用して実施することをお勧めします。
システムは表示される全メディアの詳細統計を記録するため、使用しないメディアは定期的に見直した上で削除して、ユーザがすばやく最新の最も重要なメディアを見つけ、また常にダウンロードを高速で行えるようにしてください。