自動同期を使用する

  • iPad
  • iPhone

自動同期は、CRM ユーザが作成したデータをオフラインデバイスからオンラインサーバに同期します。これにより、重要な情報が直ちに利用可能になり、レポート作成および分析で行われる決定が促進されます。

自動同期は、フィールドユーザ、販売活動、IT チームの CRM エクスペリエンスを向上し、さらにモバイルデバイスが盗難に遭ったり、ユーザがデバイスを返却せずに組織を去ったりした場合に、組織のデータ損失のリスクを軽減します。

自動同期には以下が含まれます:

  • モバイルデバイス上で作成または編集されたデータは、できるだけ速やかにオンラインサーバと同期されます。
  • ユーザは、作成・編集しているデータに関するフィードバックを速やかに得られるため、新しい情報を素早く取得して対策を講じることができます。
  • 複数のモバイルデバイスを所有しているユーザは、モバイルの変更がすべてのデバイスに速やかに適用されるため、Veeva CRM 内でメールのような動作を体験できます。

オフラインのデバイスに対する変更のみがオンラインで自動的に同期されます。オンラインで編集または作成されたデータをダウンロードするには、モバイルデバイスに差分同期を開始する必要があります。

例えば、Sarah Jones が Ackerman のオフィスを訪問するとします。Sarah は iPad でコールレポートを作成し、製品ディテールを取得し、サンプルを提供し、Ackerman 医師の署名を取得します。コール後に Sarah はコールレポートを完了して [保存] を選択します。レコードはキュー処理されてサーバに直ちに同期されます。この時点で、保存中に Salesforce ロジックが適用され、これらのレコードは直ちにキュー処理されて iPad に同期されるため、Sarah はコールの Salesforce からの最新情報のすべてを利用することができます。また iPhone でも同じ変更を確認することができます。

自動同期の要件

  • iOS 11 以降 – 64 ビット iPad が必要です (iPad 4 を除く)
  • Windows 10 ビルド 16299 (Fall Creators Update、バージョン 1709)

自動同期の仕組み

モバイルデバイスにデータを保存する (1)

エンドユーザがモバイルデバイス上で編集または作成したすべてのレコードに自動同期が適用されます。これは、コール、注文、医師からの問合せなどのオブジェクトに対して Veeva が行なっていた特殊処理の「送信の自動送信」と呼ばれていたものに近いです。

ただし、自動同期では、すべてのオブジェクトのすべてのレコードが自動的に同期します。これには、すべての Veeva オブジェクト、お客様が作成したカスタムオブジェクト、送信済みレコードおよび保存済みレコードが含まれます。

問題の選別をするためにプロダクション組織にログインする管理者は、自動同期と従来の同期との違いに注意する必要があります。

  • (システムにより暗黙的にまたはユーザによる明示的に)レコードが保存されると、そのレコードはアップロードキューに追加されます。
  • 関連する編集が進行中の場合、システムは、アップロードキューにレコードを追加する前にすべての編集が完了するのを待ちます。
  • インターネット接続がある場合、レコードは直ちにオンラインサーバにアップロードされます。
  • ほとんどのオブジェクトに対して、各レコードが保存されて個別にキュー処理されます。
  • 以下の特殊オブジェクトについては、保存されるすべてのレコードは同じトランザクションの一部としてキュー処理されます:
  • コール/コールに関連した子オブジェクト
  • 注文/注文品目/配送注文
  • 在庫モニタリング/在庫モニタリングライン
  • コンテンツ確認/コンテンツ確認アイテム
  • 医師からの問合せ処理/医師からの問合せ処理回答
  • データ変更申請/データ変更申請項目
  • インターネット接続がない場合、またはアプリケーションがアップロードされる前に背景にある場合、レコードはアップロードキューにとどまります。インターネット接続が再確立されると、アプリケーションは、先入れ先出し方式で直ちにキューのアイテムをサーバにアップロードします。
  • 稀に、複数のデバイスで同じレコードが同時にユーザによって編集される場合があります。
  • この場合、ほとんどのオブジェクトについて、最初に保存されるデバイスが優先されます。値が異なる場合は、同期エラーが生じます。
  • 編集されると、変更されたフィールドの前の値と新しい値がサーバにアップロードされます。
  • オンラインの保存が生じる前に、アプリケーションは、編集での前の値が現在の値とオンラインで一致するかどうかを確認します。
  • 上記に記載されたオブジェクトが編集・保存されると、ユーザが編集したあらゆるフィールド (Salesforce およびカスタム Veeva (_vod) フィールドを含む) からのデータはオンラインで送信されます。これらの変更はオンライン変更を上書きします。
  • あるデバイスでコールが送信され、別のデバイスでそのコールが編集された場合、以下のコール関連オブジェクトに対して、情報がすべて編集されたコールが重複作成されます: コールサンプル、コールディスカッション、メディカルディスカッション、コールキーメッセージ、コール経費、タスク、コールクリックストリーム。
  • 1 つのデバイスで同じ注文または在庫モニタリングが送信され、別のデバイスで編集された場合、編集は破棄されます。

保存済みレコードの Salesforce 処理 (2)

モバイルデバイスに対する変更がオンラインで同期・保存されると、Salesforce は通常の保存ロジックをすべて実行します。

  • バリデーション規則エラーが起こると、同期エラーとしてデバイスに戻されます。
  • 正常に保存された場合、Salesforce が更新したデータは以下を含みます:
  • レコード ID
  • 自動番号付けフィールド
  • 数式フィールド
  • 最終変更/作成日
  • トリガーによるレコードのデータ変更

今後の方法を使用する Apex コードとワークフロー更新による変更は、データ保存時に直ちにその変更が行なわれないため、反映されない可能性があります。

データフィードでデータを更新する (3)

モバイルデバイスは、自動同期データフィードから自動同期トランザクションを取得します。自動同期トランザクションはユーザ固有であり、これは Sarah Jones が行なった自動同期トランザクションは彼女のモバイルデバイスで彼女自身しか取得できないことを意味します。

保存の一環として正常にアップロードされたすべてのレコードは、データフィードのキューに入ります。これは保存が完了し次第発生します。Apex の今後の方法を使用するワークフローまたはトリガーでの変更は、直ちに生じることが保障されないため、同期されない場合があります。

さらに、保存されたレコードが子レコードの場合、対応するマスターレコードもデータフィードのキューに入ります。ロールアップフィールドの計算など、そのレコードへの更新は利用可能です。例えば、ユーザがイベント被験者レコードを編集した場合、対応するメディカルイベントもデータフィードに配置されます。

データは、データフィードに 7 日間とどまり、その後削除されます。すべての変更を受け取るには、7 日以内に差分同期を実行する必要があります。

自動同期データをデータフィードに追加する際に、システムは VMOC WHERE 句の情報を再確認しません。レコードが自動同期で編集または作成された場合、それが WHERE 句外にあってもデータフィードに配置されます。

ダウンロードする新規データを確認する (4)

インターネット接続がある場合、モバイルデバイスは、30 秒ごとに他のモバイルデバイスの新規データを確認します。Veeva は、デバイスがデータフィードを確認するタイミングを調整する権利を有します。

  • 他のオフラインデバイスに新規データがある場合は、デバイスにダウンロードされます。デバイスにダウンロードされると、安全であるなら、システムが新たにダウンロードされたデータのみをマージします。
  • 全ての関連データが利用可能な場合にのみデータがマージされます (例: 注文のすべての注文品目がダウンロードされる)
  • ユーザがレコードを積極的に使用している場合はデータはマージされません (例: ユーザがレコードを編集または表示している)
  • データがマージされなくても、アクションが実行されたらシステムは新規データを確認します。新規データがアクションを妨げる場合、アクションを実行できないことがユーザに通知されます。
  • ユーザが編集/表示のページを終了すると、データがマージされ、次回ユーザがレコードを表示/編集する際にデータが更新されます。
  • レコードにアップロードの保留または同期エラーがある場合、Veeva はダウンロード済みレコードを破棄します。これは、モバイルデバイスにより最新の更新があることを意味します。

差分同期には以下のデータセットが必要です:

  • 以下を含むオンラインで行われたすべてのデータ変更:
  • インテグレーション/テリトリー連携
  • メタデータの変更
  • Veeva CLM および Approved Email のコンテンツ
  • Veeva CRM MyInsights のセールスデータおよび Nitro データ
  • 他のユーザが行なったデータ変更